労働安全衛生法の改正について

~ 安衛法改正(建築・石材)Q&A ~

1.安衛法の改正で罰則はあるのですか?

今回の改正で罰則規定も制定されています。各地方での指導は労働基準監督署となりますので、改正後は各地方の労働基準監督署が、指導に回ることが予測されます。対応されていない会社はすぐに対応することをお勧め致します。

2.安衛法改正の対象となる商品は具体的に何ですか?

主に粉じんが発生する研削研磨工具、および加工する素材が、人工大理石(クォーツ、セラミック、樹脂系、人造系)、防水剤、除去剤、接着剤、セメント(止水)などです。ゼネコンの現場に入る場合は、それぞれのSDS を準備することが必要です。

3.SDS にGHSマークがついている場合は、どう対応すれば良いですか?

GHSマークにより対応は代わります。建築・石材の業界に限ると、粉じんが出る作業には、防じんマスク・防じんメガネの着用が必要です。また、出来る限り粉じんの飛散を抑えるために集じん機の使用はもちろんのこと、乾式加工から湿式加工への変更を行って下さい。
また、薬品等の場合は防毒マスク・防毒メガネ・保護手袋が必要です。どの種類の保護具を使用するかは、都度、購入先にお問合せ下さい。

4.保護具を着用するのは、該当商品を使用する労働者だけで大丈夫ですか?

環境測定士による測定に基づき、環境に応じた保護具を使用することが決められています。環境測定士の指導により保護具を変えることは可能です。しかし、環境測定士の測定が無い以上は、一番安全な方法を選択し、同じ空間にいる労働者全員に保護具を着用させた方が良いと思われます。

5.どのマスクを使用すれば良いですか?

薬品等の場合は必ず都度、購入先に確認をお願いいたします。
自然石・人工石・タイル等による粉じん対策の場合は、DS2規格(N95)のマスクを選択して下さい。

6.マスクで使い捨てとフィルター交換式とどちらがお薦めですか?

「粉じん対策の場合」
フィルター交換式マスクは、イニシャルコストは高くなりますが、フィルターの寿命が使い捨てマスクより長いためランニングコストが安くなります。使用条件により有効時間は違いますが、フィルター交換式の方が結果、総コストは安くなります。また、今回の改正でマスクの着用の管理(記録)が求められます。使い捨てマスクは、使用可能時間が12~15時間となりますので、交換時期の管理手間が大きくなります。この面からもフィルター交換式を選択されることをお勧めいたします。
「防毒対策の場合」
使い捨てマスクはありませんので、吸収缶付きのマスクをご使用下さい。ただし、使用する薬品等の購入先に、都度確認し最適なマスクをご使用いただくことをお勧め致します。

7.マスクの使用可能期間は?

使い捨てマスクについては、マスクに使用可能時間が表示されていますので、その表示に従って下さい。防毒マスクについても、使用期限が設けられています。使用状況や保管状況にもよりますが取扱説明書などを参考に早めの交換を心がけてください。また、使用中に臭いを感じた時は、使用をやめ即座に交換して下さい。
防じんマスクのフィルターは、呼吸が苦しくなった時が交換時期とされています。しかし、フィルターに粉じんが付着すると呼吸が苦しくなると同時に内圧が変化し、フィルターの機能が正常に働かなくなります。
呼吸が苦しくないからと長時間にわたり使用し続けることは、絶対に辞めて下さい。フィルター交換時期を示す機能が付いたマスクはその指示に従って下さい。
当社のフィルター実験(各環境にて使用後フィルターをメーカーにより検証)によると、毎日粉じんの発生が多いところで使用されている場合は、約2週間から3週間までに交換が必要です。また、あまり使用されない方でも1カ月ごとの交換をお勧めいたします。

8.フィルターに付着した汚れを除去すれば長く使用することが可能ですか?

フィルターは水洗浄出が来ません。また、エアー等でフィルターの埃を飛ばすと簡単にフィルターに穴をあけてしまいますので絶対にしないで下さい。フィルター性能を最後まで有効に使用するため、粉じんの除去は絶対に行わないで下さい。

9.防じん対策としてマスクだけ大丈夫なのでしょうか?

保護メガネも必ず必要となります。防じん用の保護メガネも必ず着用してください。

10.保護具着用管理責任者は何をするのでしょうか?

マスクを正しく使用するように指導監督し、それを記録に残すことが業務です。具体的には、マスクが従業員一人一人にフィットしているかを定期的に確認し、決めたフィルターの交換時期に責任をもって交換し、それを記録に残すことです。(当社T-Plusご契約の方はサイトから参考となるひな型のダウンロードが可能となります。)

11.マスクフィットテストとは何ですか?

1年に1度、使用しているマスクがフィットしているか(漏れの有無)を、確認することです。マスクフィットテストは、今回の改正により義務化されましたので、必ず1年に1度実施しなくてはいけません。

12.マスクフィットテストはどのように実施すればよいですか? また、コストは?

マスクフィットテストの実施は専門の業者に依頼するか、自社で行うかの2つの方法があります。専門の業者に依頼するコストは、人数と依頼先により大きく違います。各地域の労働基準監督署など公共機関が行っている場合は、比較的安価で実施することが可能なようです。それ以外は検査受託会社により、大きく違います。WEBで検索可能ですので、探してみて下さい。
自社で行う場合は、マスクフィットテストの専用機械(100万~)か、マスクフィットテストキット(5万~)を購入して行う方法があります。マスクフィットテストキットは当社でも販売しておりますので、問合せ下さい。

13.防水剤を塗布する際は、保護具は必要ですか?

SDSを確認の上、対応する防毒マスク、防毒メガネ、保護手袋を使用してください。不明な場合は販売店に問合せ下さい。(当社T-Plusご契約の方は、対応する保護具を掲載しています。ご確認下さい。)

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